1. ゴスペル・それは良き知らせ!

ゴスペルという言葉を聞くと、多くの日本人は自動的に黒人音楽を連想します。確かにそれは黒人独特の音楽文化であるという側面は否定できないものでしょう。ゴスペルという音楽がそもそも、黒人が強いられた不条理の中から生まれた歴史的遺産であるからです。

その昔、アフリカから奴隷としてアメリカ大陸に売られてきた黒人たちは、過酷な奴隷生活を強いられました。人権も認められない悲惨な生活の中で、多くの者が命を落としていきました。黒人として生まれただけで、彼らは劣等民族の烙印を押されたのです。

しかし、そんな奴隷生活の中で彼らはなおも希望を歌いました。その希望の歌が『ニグロ・スピリチュアル』となり、それがやがては黒人教会において、『ゴスペル』として定着したわけです。その意味においては、ゴスペル=黒人音楽という方程式はまさにそのとおりであると言えます。

しかし『ゴスペル』とは本来『グッド・ニュース/良き知らせ』という意味であるということはあまり知られていません。日本語でそれは『福音(ふくいん)』と呼ばれています。それは彼らが信じた希望であり、神の国へのあつい信仰を意味していることばなのです。絶望的環境の中でも、聖書に約束された『神の国』を信じたからこそ、彼らは希望を歌うことができたのです。絶望の中でも絶え入ることのなかった希望、その希望こそゴスペルなのです。

その同じ希望を歌に託しているアーティストはなにも黒人に限ったことではありません。聖書を題材に、聖書の語る希望をテーマに音楽をクリエイトしているアーティストは、黒人以外にもたくさんいるのです。

アメリカでそれは、インスピレーショナル、またはCCM(Contemporary Christian Music)と呼ばれ、巨大な産業に発展しています。その分野から登場し、一躍全米No.1アーティストへと登り詰めたエイミー・グラントを筆頭に、マイケルW. スミスやDCトーク、6ペンス・ノン・ザ・リッチャーなど、ミリオンセラー・アーティストが多く存在しています。

東京では、J-WaveがCCMを頻繁にオンエアーしているため、それとは知らずに耳にしているわけです。最近では、日本でもCCMコーナーを常設しているCD店も増え、CCM専門のレーベルなども登場しています。

ゴスペル、それは良き知らせであり、語り継がれた希望です。

不条理の歴史の中で、苦しめられながらも、絶えることなく力強く生きた黒人たちの魂の叫びから発し、現代に生きる我々日本人の魂までをも揺さぶるゴスペルの魅力は、時代を超えて生きつづける希望の力そのものにあるのです。

いつの時代も希望を棄てない民族は生き残ると言われます。

バブルの崩壊…戦後最悪の失業率…増加する自殺者…希望を失いつつある日本人…こんな時代だからこそ、ゴスペルの持つ希望が今求められているのではないでしょうか?

 

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